令和5年、明けましておめでとうございます。

 同窓生の皆様方におかれましては、ご家族と共に輝かしい新春を迎えられたこととお慶びを申し上げます。平素より同窓会活動に対しましては温かいご理解とご支援を頂き、心より厚く御礼を申し上げます。

 昨年2月24日に勃発したウクライナ戦争はいまだ収束の兆しが見えず、長期化の様相を呈しており、かつてない世界情勢の激変の中、防衛費の増額、及び、反撃能力の保持等が国会で真剣に論議され、平和な国日本が今後どのような方向に向かって行くのか大変憂慮されております。

 さて、弓削丸建造に関し、令和元年11月6日に自民党本部にて国会議員の先生方はじめ商船高専5校の関係者百有余名が自民党本部に結集し陳情してから3年余が経過しましたが、昨年暮れ12月12日三菱重工マリタイムシステムズ(玉野工場)にて石田校長、商船学科教授、船機長以下乗組員、各商船高専校長、全船協会長他ご臨席を賜り、穏やかな好天の下、厳粛な雰囲気の中で起工式が執り行われました。本船は、弓削丸4世となりますが、現弓削丸が平成6年3月30日に竣工して以来30年振りの新造練習船となります。全長は50メートルで現弓削丸より10メートル大きくなり、時代の流れに適合した最新鋭の機器が搭載されますので学生の教育に大きな効果を発揮するものと期待をしております。

 本船を建造するにあたっては予算の関係もあり、5商船で1隻との案が他校から提示されておりましたが、それでは年1回2ヶ月程度の期間のみ本校の桟橋に係留出来る程度となり、海技教育機構(航海訓練所)の練習船と何ら変わらなくなってしまいます。机上で学習したことを即実船で体験することが最も効果的な学習方法であり、「百聞は一見に如かず」、校内練習船は、各校1隻でなければならない旨お願いして参りましたが、皆様方のご尽力のお陰で関係省庁のご承認を頂くことが出来、弓削丸4世誕生の運びとなりましたことは誠に喜ばしく、この場をお借りし、衷心より厚く御礼を申し上げます。来年3月、竣工の暁には本船の立派な雄姿をご覧になって頂き、今後とも母校、弓削商船をご支援の程何卒宜しくお願い申し上げます。

 コロナ禍も収束の兆しが見えず感染拡大が続いておりますが、今年一年が平穏無事で穏やかな幸多き年でありますよう心より祈念し、新年の挨拶に代えさせて頂きます。

令和5年 元旦
弓削商船高等専門学校
同窓会長 柏木 実

しまなみ海道 来島海峡大橋の初日の出