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会長挨拶(2024)

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 2024年、明けましておめでとうございます。
 皆様方におかれましてはご家族と共に輝かしい新春を迎えられたこととお慶びを申し上げます。平素は、同窓会活動に対しまして温かいご理解とご支援を賜り、ありがたく感謝を申し上げます。
 昨年10月6日、秋晴れの素晴らしい好天の下、三菱重工マリタイムシステムズ株式会社に於いて、弓削商船高等専門学校の4代目練習船弓削丸が沢山の関係の方々が見守る中、国立高等専門学校機構、理事長谷口功様のご命名に続き、商船学科5年生田頭佳乃さん、中神なつみさん両名の支綱切断により見事くす玉が割れ、大きな歓声、拍手と共に播磨灘にその雄姿を浮かべました。
本船は、1994年3月に当造船所で竣工した3代目弓削丸よりも一回り大きく、威風堂々とした姿に感激し、今日に至るまでの長い道のりを思うと目頭が熱くなるのを覚えました。
 当初は国家財政が厳しい中、校内練習船は、5校一隻でお願いをしないと通らないとの意見が持ち上がっており、大変憂慮しておりました。中学校を卒業したばかりの純真無垢な若者を5年半に亘り教育をし、7つの海を駆け巡る遠洋船の船長、機長に育成する為には、各校一隻の練習船は最も重要で必要不可欠な設備であると共に、商船学校のシンボルタワーとしてなくてはならない存在であり、是が非でも各校一隻でお願いしなければならないと考えておりましたところ、5校の校長先生からもご賛同を頂き大変心強く思っておりました。
 2019年11月6日、各校代表者が既成会を結成、自民党本部にて決起集会を開催し、衆議院議員村上誠一郎様、参議院議員赤池誠章様、同山本順三様、同中西祐介様、全日本船舶職員協会前会長酒迎和成様、並びに多数の皆様方の多大なるご尽力により予算が確定し、目出度く念願の弓削丸進水の栄誉を迎えることが出来ました。改めまして大変お世話になりました皆様方に心より厚くお礼を申し上げます。

弓削丸の主要目:

全長 56.3m
全幅 10.6m
喫水 3.4m
総トン数 370トン
速力 12.5ノット

 本船の内部は、セキュリティーを考慮しつつ快適性を追求した女子学生専用エリアの他、本校が掲げるダイバーシティ尊重の理念に基づき、誰もがスムーズに乗船できる通行設備を備え、災害時における船外給水、給電、支援物資輸送、充分な衛生設備を含む居住設備提供、及び、船舶型携帯電話基地局といった災害支援船としての機能も有しています。船舶と学校を結ぶ船陸間通信装置を搭載し、航海計器情報、カメラ画像情報、船内の各種運転状況を陸上へリアルタイムに配信でき、造水装置など一部の船内機器については陸上からの遠隔操作もでき、これらの画期的な機能により、船上での操船実習や機器操縦実習を陸上の学校施設側で同時受講することも可能となり、優秀な海技士を養成するための教育環境を整備しています。今後は、商船教育、並びに、災害救助船として大いに活躍が期待される最新鋭の設備を備えた弓削丸が浸水の運びとなり、大変喜ばしく誇らしく思っております。
 報道によりますと、国は、陸上のトラックの運転士不足、及び、排ガスの削減効果を鑑み、陸から海へのモーダルシフトを推進して行くとの方針が決定されたと伺っております。又、昨今の国際情勢、及び、急速に進む円安により、今後は、日本人海技士の需要が益々高まり、将来は未曽有の船員不足が予想されております。諸先輩の方々が大変ご苦労され、120年に亘って培って来られた海運立国日本の素晴らしい船舶運航技術のノウハウを絶やすことなく継承し、次世代に引き継いで行くのが我々の使命であると考えております。
 その為には、現行の商船高専の教育制度を維持継続することが最も重要であり、弓削商船は、世界で冠たる海事都市今治のクラスターの一員として海事産業に貢献し、共に発展して行かなければならない船員養成専門機関であると考えております。
 今年一年、同窓生の皆様方が、ご家族と共に健康で幸多き年でありますよう心から祈念し、新年の挨拶とさせて頂きます。

2024年 元旦
弓削商船高専同窓会
会長 柏木 実

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